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M&Aと設備投資を加速
業界トップへ突き進む総合安全商社

14期連続の増収増益で過去最高を更新中の成長企業。M&Aと設備投資を加速し、総合安全用品業界トップを目指す。経営戦略に「健康経営」を位置づけ、3月には「健康経営優良法人ホワイト500」に初認定された。アスリート社員の雇用やスポーツチームのスポンサーなど、地域活性化にも力を注ぐ。

大阪に7階建て自社ビルを取得

2024年4月期決算は売上高が前期比4.4％増の235億円、経常利益が5.2％増の15億9,300万円で共に過去最高を更新し、15期連続の増収増益となる見込み。安全対策用品の販売・レンタル、看板・サインメディアの製作販売を全国で展開し、業界を力強くけん引している。久保孝二社長は「バリケードや規制車などのレンタル事業が伸長し、比例して販売も好調だった。エリアでは関東、関西のほか熊本、福岡。現在のレンタル比率は約37％だが、早い段階で50％を目指したい」と意気込む。
事業拡大に伴い、M&Aと設備投資をさらに加速する。昨年、東京都中央区東日本橋に6階建ての自社ビルを取得。さらに今年3月には大阪市天王寺区東上町に7階建ての自社ビルを取得した。関西地区における今後のM&Aを見据えたもので、点在しているグループ会社の集約も進めていく方針だ。また、同市淀川区にもショールームを併設した営業拠点を開設予定で、新大阪駅からほど近い立地を生かし、メーカーとのコラボ販売会など新たな活用方法を模索する。そのほか、2月に鹿屋支社（鹿児島県鹿屋市田崎町）の新築工事が着工、長崎支社（長崎県西彼杵郡長与町）も拡張を計画している。「グループ企業間のシナジー追求と拠点間の格差是正に力を注ぐ」とより一層の成長を期す。

（写真）昨年３月に開設した「グリーンクロスビル」（東京都中央区東日本橋）

健康経営優良法人ホワイト500に初認定

同社では、さまざまな分野における安全環境の構築を通じて、SDGsを実践している。経営戦略に健康経営を位置づけ、2020年に「健康経営宣言」を制定。従業員と家族の健康、労働環境の整備を進めるべく、取り組みや計画を見える化し、社内外への普及活動を積極的に展開する。今年3月には経済産業省の「健康経営優良法人ホワイト500（大規模法人部門）」に初認定された。久保社長は「総務課を中心に立ち上げた専門チームの頑張りに尽きる。有給取得の推進や残業廃止に取り組みつつ、業務効率化や生産性の向上を図っていく」と胸を張る。社員の働き方や健康はもちろん、採用面やモチベーションアップにもつながることを願う。

50歳を迎えた2021年に「残りの10年で次期社長に指名する人材を探す」と社内で公言した久保社長。後継者候補の発掘と次世代の育成に本腰を入れている。「役職者は基本的に経営目線に立ち、同じような価値観で取り組める人物であることが必須。幹部候補はそろってきており、今後に期待したい」と話す。そこに学歴や学閥などの考慮は一切ない。正当な評価で、全員が平等にチャンスを掴める環境からも働きやすさを追求し続ける企業姿勢がうかがえる。
アスリート社員の雇用や、九州を起点とするプロアマのスポーツチームへのスポンサー活動など、地域活性化に力を入れている同社。3月16日に異種交流会として「運動会」を初開催した。メインスポンサーを務める九州アスティーダをはじめ、otonari福岡SUNS、九州ハニーズ、九州プロレスなどのプロチームと、地域の高校・大学の部活動生らを招待。約150人が参加し共に汗を流した。地域密着で飛躍を遂げる総合安全商社の動向から目が離せない。

久保孝二　社長 くぼ・こうじ／長崎市出身。1971年2月1日生まれの53歳。大阪教育大学中退。11年4月社長就任。趣味はゴルフ

採用情報
募集職種／営業　一般事務　サインクリエイター
応募資格／新卒～30歳くらいまで
採用実績／2024年度8人
採用予定／20人
問合せ先／TEL.092-737-0370
担当／神吉（かんき）

（ふくおか経済EX2024年）