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焼酎かす高度リサイクル実証研究施設が完成 環境保全公社リサイクル総合研究センター


 福岡県環境保全公社リサイクル総合研究センターは、北九州市若松区響灘にある北九州エコタウン実証研究エリア内の福岡県リサイクル総合研究センター実証試験地に「焼酎かすの高度リサイクル実証研究施設」を設けた。株式会社九州メディカル、理研農産化工株式会社福岡工場、九州大学大学院農学研究院が事業化を前提とした共同研究、実証実験に着手する。
 同施設は福岡県環境保全公社リサイクル総合研究センターが毎年公募を実施している、リサイクル技術と社会システムの開発を対象とした共同プロジェクトとして〇二年度に採択された「焼酎かすの高度リサイクル技術の研究開発」のための施設。施設は敷地面積約五百平方メートル、施設面積百九十九平方メートル、軽量鉄骨構造、平屋づくりで、実験室が三室、研究室、倉庫がある。焼酎かすを利用して、魚類用飼料、ウイルス性殺虫剤、土壌殺菌剤、害虫駆除剤を製造する技術を開発するもので、その製造過程 において昆虫やBT(バチルス・チューリンゲンシス)という殺菌を利用する技術を組み込むリサイクル技術はこれまでに例がないという。
 焼酎かすは全国で年間四十万t排出され、その半量が海洋投棄されていると言われており、九州の約三百社の焼酎メーカーからは、全国の排出量の約半数が発生している。ロンドン条約により焼酎かすの海洋投棄が禁止されることになったため、新たなリサイクル技術の開発が期待されている。研究開発期間は三年間で、三月二十六日には関係者を集めた事業説明会、施設見学会が開催された。
 同プロジェクトにはオブザーバーとして西吉田酒造株式会社、キューサイ株式会社、福岡県工業技術センター生物食品研究所、独立行政法人水産大学校が参加している。

2003.04.01 発行 週刊経済より