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教育委員会、学校向けに新防犯システムを販売   コクヨ九州販売   4月から、初年度1000校の導入目指す


 オフィス用品卸売業のコクヨ九州販売株式会社(福岡市博多区博多駅前二丁目、井ノ口久次社長)は、四月から株式会社NTTマーケティングアクト九州(寺町幸夫社長)と提携し、九州内の各自治体の教育委員会向けに電子メールを活用した学校教育統合情報配信システム「e学校ネット」の販売を開始した。
 学校で子供を巻き込む事件・事故が多発しているのを受け、教育機関向けの新商材として販売するもので、初年度は九州地区における約千校の小中学校での導入実績を目指す。
 「e学校ネット」は所轄の警察、消防から不審者・危険情報を提供された自治体の教育委員会が、当該地区にある学校に情報を配信、それを受けた学校側が、あらかじめ指定された保護者や家庭の電子メールアドレス、および携帯電話アドレスなどに一斉に配信するというシステム。迅速で正確な情報提供ができるうえ、学校側は学年やクラス単位など対象別に配信することもできるため、行事連絡などの日常連絡網として活用することも可能だという。
 同システムは二〇〇二年の試験運用以降、これまでに北海道釧路市、東京都荒川区、世田谷区のほか、九州では長崎県大村市、佐賀県多久市、鹿児島県串木野市などがすでに採用、福岡県でも二〇〇四年十月に福岡市、志免町の十五の小中学校で導入が決定するなど、全国規模で普及が拡大している。
 ソフト開発業者は株式会社新電電ネットワーク。九州地区ではシステムサーバやウェブサーバなどの設備をNTT天神ビル内に設置し、運用・セキュリティ面はNTTマーケティングアクト九州が担当する。料金は一校あたりの初期設定費用が十二万円、ASPサービスによる月額料金が一万五千円(二年間の長期割引サービスの場合は一万三千円)となっている。
 前田豊取締役は「現在のライフスタイルに合った情報伝達ツールだと認識している。保護者からの導入要望も強い商材だけに、個人情報保護法に対応したセキュリティ対策も万全なNTTマーケティングアクト九州さんと協力し、いち早い普及拡大で学校の安心・安全に寄与したい」と話している。
 同社は二〇〇一年十月、コクヨ株式会社(大阪市)の流通販社として、当時地域販社の福岡コクヨ、 北九州コクヨ、福岡南コクヨ三社の営業統合、およびコクヨ株式会社九州支店の一部業務移管し福岡コクヨ販売株式会社として設立、〇二年十一月に現社名に変更。資本金は一億五千万円、〇四年三月期の売上高は百三十四億三千五百万円(〇五年三月期売上高見込みは百七十億円)、従業員数は百六十四人。〇四年三月からコクヨ株式会社の完全子会社となっている。
 井ノ口社長は四三年四月二日生まれの六十一歳、福岡市博多区出身、西南学院大学商学部卒、趣味はゴルフ。

2005.3.23 発行 週刊経済より