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1億3000万円をかけ本社組立試験工場を増築 コーリンエンジニアリング 製品大型化に対応、量産体制も
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中型コージェネレーションシステム(以下コージェネ)の防音エンクロージャで全国シェア五〇%を超える発電システム機器製造のコーリンエンジニアリング株式会社(粕屋郡宇美町宇美、幸松了社長)は総投資額一億三千万円をかけ、本社組立試験工場を増築している。すでに一月末に着工しており、五月中旬の完成を予定している。
大手メーカーのOEMに特化している同社では、これまで百五十~五百kWの中型コージェネを中心に受注してきたが、各メーカーの製品が五百kW以上に大型化してきており、また〇五年以降、各メーカーからの要請に出来るだけ応じられる量産体制を整えるため増築するもの。
既設の組立試験工場に隣接していた駐車場に、同工場に接続する形で試験ヤード(床面積八百九十五平方メートル)を増設。既設工場にある試験ヤードの大部分を増設部分に移すことで、パーケージ組立、常用発電機製造、非常用発電機製造の各ラインを拡張し、増設した試験ヤードには二十五 tクレーンを装備して、大型化、量産化に対応する。なお工場増設により、本社正門右手の植林を伐採して、駐車場として利用する。
同社では新日本石油、ヤンマー、エネサーブ、西芝電機、ユニチカ、いすゞ自動車など大手メーカーを取引先にしているが、〇五年四月期の三菱重工業、前川製作所、バブコック日立に加え、〇六年四月期には日 立製作所、JFEからの新規受注も予定しており、受注増加に比例し設備投資も積極化している。
福岡都市圏にガスコージェネ専用の新工場を構想
また同社は〇六年四月期中にも福岡都市圏にガスコージェネレーショ ンシステム(以下ガスコージェネ)の専用工場の新設を構想している。
現在、業界では燃料に重油を使用したコージェネが主流となっているが、今後は排ガス規制など環境問題への対応や油の価格変動リスクから、各メーカーはよりクリーンなガスを利用したガスコージェネの開発を急いでいる。大手メーカーのOEMに特化している同社でも、こうした傾向に対応すべく、ガスコージェネ製品の試験が実施できる専用工場の新設を構想しているもの。
すでに具体的な工場用地選定に入っている段階で、福岡都市圏で都市ガスが利用できる工場用地を取得する方針。新工場の用地は千六百五十平方メートル以上で十分だが、将来的な拡張などを見越して、条件次第だが、その四~五倍の面積の用地を取得する可能性もあるという。
同社は一九八六年創業、九一年設立。資本金五千七百万円。従業員九十六人。艤装と防音技術でコージェネレーションシステムのOEMに特化し、新日本石油やヤンマー、エネサーブ、西芝電機、ユニチカ、いすゞ自動車など大手企業を得意先とする。特に中型コージェネレーショ ンシステムの防音エンクロージャ(防音パッケージ)では全国シェア五〇%を超えている。近年のコージェネ市場の拡大により、〇三年四月期に売上高が〇一年同期比倍増となる二十五億円に急成長したが、〇五年四月期もさらに伸長し売上高三十三億円を見込む。設備投資が相次ぐが、昨年八月に東京三菱銀行保証の無担保私募債一億円を発行したほか、地銀の取引行も増やすなど、資金調達の多様化や対外的な信用力の向上に努めている。
幸松社長は大分県豊後高田市出身。一九四九年二月二十一日生まれの五十五歳。大分県立高田高校卒―社団法人千代田学園専門学校電子工学科卒。日本電熱に入社、十一年間勤務し、主に自動制御を担当。その後福岡の 電気機器製作会社を経て、一九八六年創業。九一年法人化。趣味はゴルフと海釣り。
2005.4.5 発行 週刊経済より