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06年に大学博物館を開館 西南学院大学 学外連携棟や新チャペルも計画
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西南学院大学(福岡市早良区西新六丁目、村上隆太学長)では、今年、社会福祉学科と児童教育学科を文学部から独立させ、人間科学部を新設した。また、経済学部経済学科の経済学専攻と国際経済学専攻の一学科二専攻制を経済学科と国際経済学科の二学科制へ改組。さらに、大学院に人間科学研究科人間科学専攻修士課程、神学研究科神学専攻修士課程を設置するなど、学部学科再編成が続いた。再編成は来年度実施の国際文化学部設置でひと段落するが、一方で、ハード面の整備が来年以降は続く。今後の計画を、村上隆太学長に話を聞いた。
―今年三月には新大学院棟が完成しましたが、今後も施設建設が続く予定ですね。
村上 計画では〇六年の博物館オープンに続き、学外連携施設棟、〇七年には新チャペル、男子寮の建設が計画されていますが、思わぬところで地震の被害を受けましたので計画の再検討が必要かもしれません。 チャペルは元々建て替えを計画していましたが、体育館や校舎などの修繕費は予定外の投資です。修理で間に合うのか、耐震補強が必要なのか、建築計画を早めなければならないのかを策定しなければなりません。この被害でまとまった資金が必要になるので、建築計画には影響を与えざるを得ないでしょうね。
―大学博物館は来年五月に開館予定ですね。どのような展示内容になりますか。
村上 市の文化財にも指定されているドージャー記念館(旧高等学校講堂)を補強・改修して大学博物館として保存します。展示内容はキリスト教文化を中心に教育文化、地域文化に関する資料を計画中です。今 は耐震の補強が済んだところで、来年の学院創立九十周年に合わせて五月に開館します。
―〇六年からが第十次の大学財政計画に入りますが、計画は進んでいますか。
村上 これは〇九年までの四年間の計画で、今年から策定をはじめて います。これまでに考えていた学外連携施設棟、新チャペル、男子寮のほかにも、今回の地震の被害を受けた建物の状況を確認して、計画の優先順位を決めていきます。
―学外連携施設とは、どういった用途で使うのですか。
村上 学外連携施設棟は募金事業の対象施設です。行政や企業、地域の要望を取り入れた計画で「一緒に作っていきましょう」という立場で計画を立てていますから、今後計画の詳細について話し合う必要があります。一般の市民を対象とした公開講座や資格取得講座、語学講座など生涯学習のための施設をはじめ、施設を充実させ地域交流の拠点として卒業生や一般市民にも開放するように計画しています。特に福岡市と共同で子育て支援に関する機能・施設を検討しており、この分野では本学の人間科学部の知的財産を生かしていくことになります。
―新チャペルの計画は。
村上 これも募金事業の対象施設です。建築場所を決めるのに時間が掛かったため、取り掛かりが少し遅れています。設計、施工と完成までに二年ほど掛かりますが、〇八年には完成予定です。新チャペルの収容人員は千人です。
―そのほかに新たな整備計画はありますか。
村上 ソフト、ハード共に計画していたものは順調に進んでいます。私も任期があと一年半になりました。次の学長が新たな視点で計画を立てるためにも、今ある計画を完了させることが役目だと思っています。
―ハード面の整備が続きますが、教育研究費などに影響はありませんか。
村上 むしろ、教育研究面は充実させる方向で考えています。教育研究費を削ることはありません。全学一律ではなく、特色ある教育や研究に配慮できる制度を強化していきたいと思っています。 また資金に関しては学院に資金運用委員会という組織があり、学校として適正で安全なものを見極めながら、資金を得ていきたいと思います。しかし、最終的には西南を魅力ある大学とすることが、最も大切なことだと認識しています。
2005.5.31 発行 週刊経済より