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新社長に実弟の糸永康平専務が昇格   信号電材   糸永一平社長は会長に


 交通信号機、信号柱を製造する信号電材株式会社(大牟田市新港町)の新社長に七月一日付で、実弟の糸永康平専務が昇格した。糸永一平社長は代表権のない会長に、実父の糸永嶢(いとなが・たかし)代表取締役会長は取締役名誉会長に就いた。
 今回の社長交代は来夏めどに開設する上海事務所を拠点としたアジアでの海外展開に向け、若返りを図り新体制を構築するのが狙い。
 糸永康平氏は大牟田市出身。一九五五年四月八日生まれの五十歳。長崎造船大学(現長崎総合大学)卒。七九年五月信号電材入社、八八年五月常務を経て、九三年五月専務に就任していた。趣味は登山、ロッククライミング。
 糸永一平氏は大牟田市出身。一九五四年一月六日生まれの五十一歳。福岡県立大牟田南高校卒業後、予備校に半年間在籍し七二年十月信号電材株式会社入社。七七年五月専務、九三年五月に社長に就任していた。趣味は スキー、読書。
 なお同社の役員は以下の通り。
 ▼取締役名誉会長 (代表取締役会長)糸永嶢▼会長 (代表取締役社長)糸永一平▼社長 (専務)糸永康平▼取締役 営業部長佐藤康隆、取締役製造部長塚本敏樹▼監査役 糸永玲子

来夏めどに上海に事務所開設
 また同社は、来夏めどに上海に事務所を開設し部品調達を開始、半年後をめどに自社製品の委託生産も拡大する。
 同社は九九年に台湾に合弁会社、UTS台湾を設立し、交通信号機および信号柱用の部品を調達してきたが、〇三年頃から台湾で鋼材をはじめとした部品価格が上昇してきたため、部品調達の拠点を上海に切り替える。〇四年十月頃から日本国内で信号機メーカー同士の価格競争が激化しており、上海シフトにより採算面の改善を図る。
 上海事務所では将来的に機能が整えば、UTS台湾が担当しているマレーシア、タイ、モンゴルへの販売を引き継ぐ。台湾には上海事務所が機能するまでUTS台湾で販売を続ける。また、UTS台湾は合弁を解消するが、台湾現地の業者と委託して台湾地区での販売、台湾華僑との商談、および生産を続ける。
 開設後の半年後からは技術者を本社から上海の提携工場に派遣し、品質サポートしながら自社製品の委託生産を拡大する予定。その後、〇七年をめどに現在引き合いがあるアモイ地区、上海地区を中心に中国での販路拡大も狙う。
 糸永社長は「世界標準コストが手に入れば、アジア向けの委託生産拠点も台湾から上海にシフトする計画。台湾での経験を生かして中国を中心としたアジア地区での販路拡大も狙っていきたい」と話している。
 同社は一九七二年十月設立。資本金八千万円。従業員数百十二人。〇四年四月期売上高が三十五億四千七百万円。

2005.7.12 発行 週刊経済より