NEWS

  • 地域

子宮筋腫に対する最新治療機器を導入   福岡徳洲会病院   外科的なリスクを軽減


 福岡徳州会病院(春日市須玖北4丁目、河野輝昭院長)は8月1日から産婦人科で、関西以西では導入事例の少ない子宮筋腫手術の最新治療方法となる非侵襲性集束超音波治療(FUS)を開始した。
 従来の治療方法とは異なり、開腹など外科的な処置が一切ないのが特徴。全国の医療機関でこれまで6カ所で導入されているのみで、北部九州では同院が初めて。外科的なリスクを軽減、従来であればホルモンのバランスの調整や筋腫の縮小を図り摘出手術を開始するため、平均5日から14日の入院期間を要するが、今回の治療方法で日帰りの治療が可能となり、患者の不安や身体的な負担の軽減を見込む。
 FUSは200個以上の超音波発生装置から下腹部に対して超音波と振動エネルギーを当て、一点にエネルギーを集中させることにより、体内において熱として変換され、局部温度を10~20秒間、60~90℃まで上昇させて熱凝固し、筋腫細胞を死滅させる処置。1回(25秒)で焼ける範囲は直径5ミリメートルほど、治療は25秒ごとに90秒のインターバルをとる。筋腫の直径が8センチメートル以上だと治療には3~4時間が必要だが、日帰りも可能という。
 従来からの治療方法は子宮摘出や子宮筋腫核出に、開腹手術や腹腔鏡下手術、子宮動脈塞栓術(UAE)などが中心だったが、いずれも侵襲の大きな外科的治療方法であり、患者にとって体力的な問題などがあったことから同療法を導入した。
 河野院長は「子宮筋腫治療の最新方法を導入したことで、婦人病で苦しむ方々が低リスクで手術ができるようになる」と話している。
 全国に61病院、60診療所、約140の医療介護福祉施設を運営する医療法人徳洲会(東京都千代田区麹町4丁目)に属する同院は、徳洲会グループの一員として79年10月開業。診療科目は総合27診療科。医師数158人。従業員数1,098人。

2005.09.06発行の速報誌『週刊経済』より