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今期300億円超の設備投資を計画   トヨタ自動車九州   苅田工場操業に伴い


 自動車製造のトヨタ自動車九州株式会社(福岡県宮若市上有木、渡辺顯好社長)は、06年度300億円超の設備投資を計画している。
 同社は昨年12月、投資額約330億円の苅田エンジン工場を操業しており、同工場を含めた効率的なシステム構築のための設備投資を継続して進める。投資対象は宮田工場第1ライン、第2ライン、苅田エンジン工場で、従来の2車種の生産から、現在の4車種生産により適応した体制にシフトする予定。状況を見ながら、今後5年間で設備投資による改善を進めていく。
 渡辺社長は「会社を強くするための投資は惜しまないが、1年間に投資額が偏らないよう全体の投資計画を立て、投資額を平準化しながら進めていく」としている。

 今期売上は31%増の9600億円見込む

 07年3月期決算は、売上高約9600億円で前期比約31%増、経常利益約185億円で同約8・8%増、営業利益約180億円で同約9・7%増を見込んでいる。生産台数は約41万台(同約30%増)を予定している。
 苅田エンジン工場本格稼働による生産台数の増加に伴い、大幅な増収を見込んでいるが、利益面では、同工場建設費、人件費などにより、減価償却は約300億円(前期約200億円)となり、経常利益は売上高に比して微増としている。生産台数については、これまで愛知から供給されていたエンジンを、苅田エンジン工場で約15万基(フル稼働時22万基)生産し、効率性が向上することから、大幅な増加を予想している。
 渡辺社長は「07年からは苅田エンジン工場のフル稼働を予定している。それに向けた人材採用費、設備投資額はかなり大きくなるが、10年後に向けた必要な投資」としている。
 同社は1991年設立、資本金450億円、従業員数は約7000人。05年度連結売上高は7732億円。
 渡辺社長は静岡県出身、42年8月10日生まれの63歳。東京大学工学部卒。趣味はゴルフ、旅行。