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シンガポールに大型店を出店   ベスト電器   海外30店舗目


 大手家電量販店の株式会社ベスト電器(福岡市博多区千代6丁目、有薗憲一社長)は、10月27日、海外30店舗目となる大型家電量販店をシンガポールに出店する。シンガポールでは9店舗目。
 場所は、シンガポールの都心部、ヴィオシティ。2階建てで、売り場面積は3,135平方メートル、シンガポールでは第二の規模となる。総投資額は4億円。一般家電のほか、最先端のデジタル映像・音響機器もそろえ、来店客がくつろげる休憩コーナーも設ける。9月末時点での海外での総売上高は330億円、うちシンガポールでの売上高は90億円。同店舗の初年度売上目標は30億円を見込んでいる。

 来年3月までに海外35店舗体制へ

 また、同社は07年3月までに海外拠点を6店舗増やし、35店舗体制にする。
 1985年のシンガポールを手始めに海外出店を進め、9月末時点で香港、シンガポール、台湾、マレーシア、インドネシアで合計29店舗を展開。今年11月までにシンガポール、香港、台湾で1店舗ずつ、07年3月までにはインドネシアと香港、新たにベトナムを加えた3ヵ所で1店舗ずつの計6店舗を出店する。10月10日、同社初となるベトナムで、大手家電卸のベンサンとFC契約を締結し、07年3月までに1店舗、08年度中に8店舗出店を目指すほか、来年3月には香港の大型複合商業施設「メガボックス」に入居し、香港で最大店を出店する計画で、アジアでの展開を加速させている。
 同社海外事業部安永部長は「現在、タイ、上海、広州、北京の出店も検討しており、将来的にはアジアを起点に欧米への進出も視野に入れる方針」としている。                                        

 8月期連結中間決算は減収減益

 同社の2006年8月期中間決算(連結子会社は12社)は、売上高が前年同期比2.8%減の1,753億9,100万円、経常利益は同12.9%減の19億7,800万円で減収減益となった。中間純利益は同22.9%減の9億5,700万円。
 市場競争および低価格競争の激化を背景に、当期は不採算の直営12店舗、FC11店舗を閉鎖したほか、連結子会社の対象外となった株式会社ベストゲオ(福岡市早良区西新4丁目、高倉章社長)直営9店舗を除外。新規出店では直営9店舗、FC7店舗の計16店舗を展開するなど、店舗規模拡大および機能別営業力強化を推進したものの、IT関連商品や通信機器を中心とする単価下落、ユーザーの低価格志向による影響で減益となった。
 主な事業別では、家電小売業が前期比4.5%減の1,463億5,700万円、家電卸売業ではネット通販会社・株式会社ストリーム(東京都千代田区、劉海涛社長)との業務提携の影響で同6.8%増の239億8,000万円、クレジット事業は営業貸付増加の影響で同6.2%増の15億6,700万円、サービス事業が同10.9%減の24億2,500万円となった。
 同社では今後、地域および商品戦略強化を推進するほか、店舗運営・物流コストの削減、経営効率化による利益構造への転換を図る方針。2007年2月期の連結売上高では前年同期比0.2%増の3,620億円、経常利益は同8.5%増の33億円、当期純利益は同20.1%増の23億円を見込んでいる。