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09年めどに開発第1号の眼科薬品発売  アキュメンバイオファーマ    100億円市場の独占見込む


 九州大学発のベンチャーで、眼科系の医薬品を開発しているアキュメンバイオファーマ株式会社(福岡市中央区天神2丁目、鍵本忠尚社長)は、09年をめどに第1号となる医薬品の販売をスタートする。
 開発コード「A0001」で呼ばれるこの医薬品は、眼底手術の際に透明な網膜を染色して手術部位を見やすくする薬剤。従来使用されていた染色剤が副作用の問題で使用が規制・中止されており、現在は網膜を染色せずに透明な状態で手術しているため成功率は75%ほどだが、染色剤を使用すると90%以上になるという。日本では眼底手術が年間6万例ほどあり、また年間約60万例と眼科手術の中で多数を占める白内障手術のうち1割ほどにもこの薬剤は利用できるため、国内だけでも年間12万例の手術にA0001を使用することができるという。日本とアメリカで承認を得るため現在臨床試験の最終段階である第Ⅲ相試験を進めており、来年前半で終了する予定。承認されれば眼科手術に用いる染色剤としては日米両国で初のケースになるという。
 鍵本社長は「高い確率で承認を得られる見通し」と話しており、2008年末には商品化、09年から販売をスタートする計画。商品販売の初年度となる09年6月期の売上高は「堅く見て薬価ベースで15億円から30億円」(鍵本社長)を予想しているが、鍵本社長は「市場規模は日米合わせて100億円強。競合がなく市場を独占できるため、承認を得れば数年で薬価ベースの売り上げは年間100億円に達するだろう」と見ている。
 同社は05年4月設立、資本金6億4,620万円、従業員数は23人、株式会社ジャフコ、三菱UFJキャピタル株式会社などのキャピタルから12億円以上の資本投資を受けており、05年12月にはアメリカに子会社のアキュメンバイオファーマシューティカルズを設立した。
 鍵本社長は1976年12月1日生まれの30歳、熊本県出身、九州大学医学部卒業、趣味はゴルフ。