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「都市開発などに10年間で4000億円投資」  西日本鉄道の竹島社長    ホテル30棟体制に


 西日本鉄道株式会社(福岡市中央区天神1丁目)の竹島和幸社長は、12月3日、ふくおか経済新年号インタビューで、18年度までの長期経営計画について「都市開発、国際物流ビジネスなど成長事業に約6割を投資。ホテルは10年後、30棟体制を目指す」と語った。インタビューは次の通り。
 ―11月に「にしてつグループ将来ビジョン2018」を発表しましたね。
 竹島 人口減、グローバル化、ボーダレス化など、これまで経験したことのない大きな事業環境の変化を踏まえた方針です。今までの経験だけに頼っていたら生き残っていけない時代が到来していますので、社会の大きな流れに一歩先んじた経営戦略になっています。
 ―今回のような長期計画を作るのは初めてだと聞きましたが。
 竹島 はい。今は先行きを読むことが困難な時代ですから、何か一つでも指針を作ろうと思い作成しました。指針を作った上で、環境が変化すれば、その都度、中期経営計画を軌道修正していきたいと思っています。
 ―そのビジョンでは10年後には営業収益5000億円、営業利益300億円を目指し、その期間に4000億円を投資されますね。
 竹島 細かく積み上げた数値ではありませんので、あくまでも将来ビジョンのイメージです。投資に関していえば、成長事業に約6割を投資していきます。強い事業は投資、弱い事業は縮小・撤退と、「選択と集中」をスピーディーに実行していきます。
 ―その中でも、どの事業に重点を置きますか。
 竹島 交通、都市開発、流通事業などの地域マーケットビジネスと、将来の成長分野として国際物流ビジネスの2つです。また、この違う事業同士のシナジー効果で新しい事業価値を生みだしていきたいと考えています。
 ―近年は不動産が好調でしたが、今後は収益を上げていくのにひと苦労するのでは。
 竹島 そういう考えもありますが、私はある意味ビジネスチャンスと捉えています。これまでは手が届かなかった土地の価格が下がっていますので、今後仕込みのチャンスが増えていきます。幸いに当社は財務内容も良好であり、資金調達などの環境面は整っています。
 ―竹島社長が手がけてこられたビジネスホテル「西鉄イン」の出店も増やされるそうで。
 竹島 全国に幅広く展開し、知名度向上とブランド確立を目指します。具体的な計画としては名古屋の伏見地区と北九州の黒崎地区に10年7月開業予定の西鉄インを建設します。銀座にもホテル建設用の土地を取得し、どういう形態のホテルにするかを検討中です。現在の10棟体制を、10年後には30棟体制に増やすつもりで、毎年2店舗ペースで全国に出店する計画です。