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宇美町の河野粕屋病院の新病棟が完成  済世会 河野病院グループ    バリアフリーや最新設備導入


 糟屋郡篠栗町尾仲の河野病院はじめ3つの精神科専門病院などを運営する医療法人済世会 河野病院グループ(本部・同所、河野正美理事長)が建て替えていた河野粕屋病院(同郡宇美町大字宇美、原哲朗院長)の新病棟が8月29日に完成、9月19日に旧病棟から移転した。
 築30年近く経ち老朽化していることから、麻生政権下において緊急経済危機対策として成立した09年度補正予算の医療施設耐震化臨時特例交付金事業の補助金を活用し、昨年3月から新病棟建設に着手していたもの。新病棟は「自然豊かな環境でゆったりと療養していただく」という開設理念を再確認しつつ精神医療の治療スタイルや患者ニーズが変化する中、新たな考えや設備を導入。地上5階、地下1階建ての全館がバリアフリー仕様で、認知症からうつ病、ストレスケアにも対応できる病棟構成となった。
 同病院は飯塚大野城線しょうけ越えの中腹、粕屋南病院向かい側。敷地面積は約3万4826平方m。新病棟の延べ床面積は7402平方m。病床数は225室。地下1階が精神一般病棟、1階が内科療養病棟で、受付、診察室、各種検査室、薬局・売店、病室などで構成。2階が精神一般病棟(認知症対応)、3階が同(在来患者)、4階が同(開放型、ストレスケア対応)。5階は作業療法室、体育館、会議室、屋上ガーデンなど。補助金を受ける条件としてベッド数が1割減となったが、1室あたりの床面積は4・3平方mから新基準の6・3平方mへと広くなった。河野理事長は「難工事のため完成が遅れたが、今後はグループのフラッグシップとして、愛される病院を目指したい」と話している。
 同法人は1946(昭和21)6月開業、51年7月設立。河野病院(140床)や河野粕屋病院、福岡市東区の河野名島病院(179床)の3病院などを運営。10年2月に福岡市中央区薬院4丁目に復職デイケア併設の「薬院河野クリニック」と相談専門施設「メディカルサポート薬院」を同時オープンしている。