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プラ資源リサイクルの新研究開始  トータルケア・システム    2年内の完成目指す


 使用済み紙おむつをリサイクルする株式会社トータルケア・システム(福岡市博多区博多駅東3丁目、長武志社長)は、使用済み紙おむつに使用されているプラスチック素材をリサイクルする研究を新たに開始し、2年内の完成を目指している。
 同社では、紙おむつから出るパルプを再資源化し、建築資材などにリサイクルする事業は確立させている。プラスチック素材は外部委託して固形燃料としていたため、費用が発生していた。現在、再生プラスチック製造装置の開発を進めており、取り出したプラスチックを再び紙おむつに利用する仕組みを自社で内製化することで、コスト削減を図ることが狙い。また現在、焼却処理に比べてCO2排出量を約40%削減できているが、プラ素材の再利用が実現すれば、約50%削減することができるという。
 大牟田市にある同社の工場では1日当たり10万枚の紙おむつを処理しており、生産能力は約20トン、工場稼働率は85%。病院や福祉施設のほか、一般家庭からも紙おむつを受け入れている。長社長は「高齢化社会がさらに進み、紙おむつの利用は増えてくる。今後は紙おむつメーカーや販売会社、利用する病院や施設などと一緒に再資源化に向けた協議をする場を増やしていきたい」と話している。
 同社は2001年11月設立。資本金は1億1700万円。従業員は19人。16年9月期の売上高は3億円。
 長社長は糟屋郡粕屋町出身。1945年4月1日生まれの71歳。福岡大学商学部卒。趣味は球技。