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三次元半導体研究センターに1億円を寄付 東京のリンテック


週刊経済2024年10月9日発行号

企業版ふるさと納税を活用

東京に本社を置く粘着素材、粘着関連機器の開発・製造、販売などを手掛けるリンテック㈱(板橋区本町、服部真社長)は9月2日、県の半導体実装開発拠点・三次元半導体研究センター(糸島市東)に1億円を寄付した。
県が同センターの機能強化を目的に、今年度からスタートした「三次元半導体研究センター機器導入事業」のうち、企業版ふるさと納税を活用した機器整備を推進する中、すでにセンターを活用したことがある同社が寄付を申し出た。同日、同センターに隣接する社会システム実装センターで開かれた贈呈式では、服部社長が福岡県の服部誠太郎知事に目録が贈呈された。服部社長は、TSMCの進出によって九州における半導体関連の進出や設備投資が活発化している状況を踏まえ、「企業や大学における研究開発支援や共同研究に取り組む三次元半導体研究センターの取り組みはますます重要になる。日本の半導体産業の再構築に役立てほしい」とあいさつを述べた。服部知事は「企業版ふるさと納税を活用し、寄付をいただいたことに心から感謝したい」とお礼の言葉を述べた後、「新生シリコンアイランド九州を支えるセンターとして機能強化を進めていきたい」と機能強化に向けた意気込みを語った。
同社は1934年10月15日に設立。資本金は233億5500万円。粘着素材や粘着関連機器などの開発、製造、販売などを手掛け、半導体関連ではチップの製造・実装工程に欠かせない特殊粘着テープとその特性を最大限引き出すための装置、積層セラミックコンデンサの製造に不可欠な剥離フィルムなどを提供している。2024年3月期の売上高は連結で2763億2100万円。従業員は同5476人。
三次元半導体研究センターは、11年に公益財団法人・福岡県産業・科学技術振興財団に設置され、企業・大学の研究開発支援や共同研究を推進。これまでに約260社、約4千件の支援実績がある。