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イムズ跡地の21階建て複合ビル着工 三菱地所


週刊経済2024年5月29日発行号

コンセプト発表「福岡文化生態系」

三菱地所㈱(東京都千代田区、中島篤社長)は5月15日、イムズ跡地の複合ビルの開発計画「(仮称)天神1-7計画」の建設工事に着工したと発表した。
市の天神ビッグバンに伴う大型再開発の一つに位置付けられる事業で、2021年8月の「イムズ」閉館以降、旧施設の解体と用地の造成工事などを進めてきた。このたび、ビルの建設に着工することから、三菱地所の中島社長、新ビルに入居する「エースホテル」のブラッド・ウィルソンCEO、高島宗一郎福岡市長などを招き、安全祈願祭を開催。同時に記者会見を開き、新ビルの開発コンセプトを発表した。
コンセプトは「福岡文化生態系」。福岡の新しい文化を共に創造し続けるという思いを込めており、旧イムズのコンセプト「情報受発信基地」を継承・発展する意向も見せている。木質の外観や環境認証の取得、広場の整備・活用など、「サステナビリティ」を重要なコンセプトの一つに位置付けており、地上と地下、ソフトとハードが複層的に混在する「ウォーカブルな空間づくり」を意識していくという。
新ビルの概要は、敷地面積4640㎡、地上21階、地下4階建てで延床面積7万3960㎡。B2階~4階が商業フロア。1~3階と16~20階がホテル。3~5、7~15階がオフィスとされており、世界的なホテルブランドの「エースホテル」の入居が決まっている。オフィスは約8千坪の規模で、基準階約790坪。3階にオフィスエントランスを設け、30坪台からの小口分割での賃貸にも対応するという。
中島社長はコンセプトについて、「ハードだけでなく、ソフト面の取り組みを力点に、まちの発展に貢献していく」とし、「福岡ならではの進取の精神を取り込み、『半歩先のまちづくり』を目指していく」と意気込みを語った。エースグループインターナショナルのウィルソンCEOは「当社のアジアで2件目のホテルとなり、これからアジア展開に踏み出していくための拠点として、福岡を選んだ」と立地選定の理由を話した。また高島市長は来賓あいさつで、「イムズの跡地にどんな建物が来るのか、という市民の期待に応える得る計画になっていると思う」と実感を語った。