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エンジニア、スタートアップ双方の支援プログラム参加者が起業 福岡市


週刊経済2024年5月1日発行号

「AIダンサー」開発の芝原さんがマッドソフト㈱設立

福岡市(高島宗一郎市長)は4月22日、市のスタートアップ支援、エンジニア支援の双方の支援プログラムに参加したエンジニアが、起業したことを市長の定例会見の中で報告した。
福岡市は2012年に「スタートアップ都市ふくおか」を宣言して以降、フクオカグロースネクストを中心としたスタートアップ支援に力点を置いてきた経緯があり、2018年からは「エンジニアフレンドリーシティ福岡」を掲げ、エンジニアの人材育成に力を注いできた。今回の起業は、その双方の支援事業を活用した「モデルケース」として、広く発信していく姿勢を見せている。
起業したのは芝原隼人さん(36歳)で、「マッドソフト㈱」をフクオカグロースネクストで本社登記して設立した。芝原さんは東京都出身。2018年に福岡市に移住し、フリーのエンジニアとして活動してきた。昨年12月に市主催のエンジニアフレンドリーシティ福岡アワード2023を受賞したほか、1月には支援拠点であるエンジニアカフェのコミュニティマネジャーに就任。さらに3月に開催した市の起業家養成プログラム「福岡スタートアップエリート」のデモデイにて優秀賞を獲得している。メーンで手掛ける領域は生成AIで、音楽から振付を自動で考案する「最強AIダンサー」を開発している。
高島市長は「エンジニアとしてのノウハウやネットワークをエンジニア支援で培い、経営のノウハウをスタートアップ支援の枠組みの中で習得するという、新たなモデルで起業した第1号の経営者。これをきっかけにエンジニアの起業が続いていってほしい」と期待を込めた。芝原さんは「福岡から、エンジニア業界の新たなムーブメントを起こしていきたい」と意気込みを語った。