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営業収益は4116億4900万円で減収減益 西日本鉄道


週刊経済2024年5月22日発行号

国際物流事業の需要低迷響き

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)の2024年3月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前期比16・8%減の4116億4900万円、営業利益が1・0%減の258億7700万円、経常利益が12・1%減の245億3800万円と減収減益となった。
新型コロナの5類移行で運輸業の鉄道事業やバス事業、レジャー・サービス業のホテル事業の需要回復に伴う増収をはじめ事業別では物流業を除いて増収増益となったものの、国際物流事業で輸送需要の低迷による輸出入取扱高の大幅減少などで物流業が営業収益で約1030億円減、営業利益で約126億円減となったのが響き、減収減益となった。ただし、当期純利益は不動産流動化による信託受益権や西新パレスの売却などによる固定資産売却益の計上などで前期比34・6%増の247億2300万円となり、1977年度に連結決算を導入して以来、過去最高だった前期をさらに大きく更新した。
事業別では、運輸業は需要の回復による旅客人員の増加に加え、鉄道事業における鉄道駅バリアフリー料金制度を適用したことや、今年1月のバス事業における運賃改定の効果などで、営業収益が7・8%増の777億2100万円、営業利益が49・6倍の37億6600万円で増収増益。不動産業は賃貸事業でホテル事業の経営体制変更に伴うグループ内賃貸収入(セグメント間取引)の増加や商業施設の賃貸収入が回復し、住宅事業で分譲マンションの販売単価が上昇したことなどで、営業収益が10・0%増の859億4500万円、営業利益が35・1%増の111億5800万円の増収増益。流通業はストア事業で前期に開業した新規店舗の寄与や仕入価格高騰による販売価格への転嫁が進んだことなどで、営業収益が2・8%増の709億800万円、営業利益が約11倍の9億6500万円の増収増益となった。
物流業は国際貨物取扱高が航空輸出で25・4%減、航空輸入で16・1%減、海運輸出で3・2%減、海運輸入で7・4%減と軒並み減少し、営業収益が44・4%減の1288億1800万円、営業利益が73・5%減の45億2800万円と大幅な減収減益となった。レジャー・サービス業はホテル事業で需要の回復による稼働率や客室単価の上昇、昨年4月の「西鉄ホテルクルーム博多祇園 櫛田神社前」の開業などで、営業収益が37・7%増の450億4700万円、営業利益が約55倍の46億3200万円の増収増益。その他の事業は車両整備関連事業での受注増加などで、営業収益が1・0%増の303億9100万円、営業利益が60・6%増の17億8500万円の増収増益。
今期は物流業における国際物流事業での取扱数量の増加に加え、不動産業における住宅事業での販売区画数の増加などで営業収益は9・6%増の4511億円を見込む一方、不動産業における賃貸事業での福ビル街区建替プロジェクトの完成による費用の発生などで営業利益が6・9%減の241億円、経常利益が8・3%減の225億円、特別利益減少などで当期純利益が36・5%減の157億円を見込んでいる。