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設立20周年、新規ビジネス創出で1千億円企業へ

油嶋武晴　社長
ゆしま・たけはる／福岡県出身。1956年11月5日生まれの68歳。北九州工業高等専門学校化学工学科卒。77年新日本製鉄化学工業㈱（現日鉄ケミカル&マテリアル㈱）入社。91年戸畑製造所生産技術部課長代理、95年高分子研究所マネジャー、05年スチレン樹脂部長、11年参与光学ディスプレイ材料事業部長、13年新ケミカル商事㈱取締役就任、18年常務取締役、19年取締役副社長を経て20年社長就任。趣味は山登り

「社会のために　お客様のために　わたしたちのために」を企業理念に掲げ、化学系専門商社として社会に密着したビジネスを展開する同社。昨年8月、北九州本社を「セントシティ北九州」に移転。地元に根を張った経営やSDGs、環境活動を積極的に促進し、地域社会に価値を提供していく。

「魅せるオフィス」で商社らしい働きやすい環境づくり

日鉄ケミカル&マテリアル㈱の商事子会社として2004年8月に誕生した。18年から東京本社と2本社制を採用。化学品、製鉄関連、樹脂、建材、アグリの5つの事業群で、国内14拠点、海外5拠点展開している。「お客さまが求める商品を届けるだけでなく、課題に寄り添い、共に解決策を考え続けてきた。今後も認知拡大や大きな信頼を獲得していきたい」と思いを語る油嶋社長。今年8月に設立20周年を迎え、新たなステージへと着実な一歩を踏み出す。
20周年記念事業の一環で、事業拡大と現地雇用の体制を整えるため、23年8月、北九州本社を小倉北区京町3丁目の複合施設「セントシティ北九州」8階に移転した。地元企業や行政機関と連携したビジネスを志向し、地域創生を進めていく。面積は従来から2倍の800㎡を確保し、カフェテリアやパウダールームなどを設置。働きやすい環境を整えている。新オフィスのコンセプトは、“商社らしい「働き方」を実現し、発信力のある「魅せるオフィス」”。受付台には小倉城や門司港駅など北九州らしさを演出し、驚きや楽しさを提供するほか、仕切りのないワークスペースで、エントランスから執務エリアまでをガラス張りにすることで明るくオープンな雰囲気を感じさせる。

SDGsや環境活動を積極推進

鉄の生産時にできる副生品の販売を主にグループ全社を挙げてSDGsに取り組んでいる。中でもアグリ部門では、鉄を作る際に出る副生品「硫安（窒素肥料）」を、JA全農を通じて農家へ届ける事業を展開。4月にはグループ会社のみらいアグリ㈱と昭光通商アグリ㈱を統合し、新会社「NCTアグリ」を設立した。従来のアミノ酸系肥料や特殊硫黄系肥料などの差別化肥料に加えスラグや汚泥などの未利用資源の肥料化を目指している。また、持続可能な農業の未来のために、GAP認証を受けた野菜の安定供給で、日本の農業を支えていく。
4月から、新中長期計画「NCT/ムーンショット計画」が始動。事業群ごとでM&Aや新規ビジネスの創出を進め、2030年度には売上高1,500億円、経常利益40億円達成を目指す。

北九州に根付いた商社へ

同社では、ワークライフバランスの両立ができるような幅広い休暇制度や在宅勤務、フレックス勤務など、状況に合わせた勤務形態を導入し、働き方改革や労働生産性の向上を図っている。「商社は“人”が一番の財産。魅力を感じてもらい、この会社で働くことが楽しいと思えるよう、未来を見据えた改革にチャレンジしていかなければならない」と働きがいのある環境を整える。
地域貢献活動として、伝統芸能「能楽」を子どもたちに体験してもらうため、北九州の小・中学校に能楽出前授業を実施している。そのほか、「ギラヴァンツ北九州」やバレーボールチーム「カノアラウレアーズ福岡」などのスポーツチームにも協賛。さらに北九州音楽協会の支援、清掃や募金、ボランティア活動など貢献の幅は広い。油嶋社長は「北九州に根を張り、地域社会へ積極的に貢献していきたい。採用、育成を通して持続的な成長を実現していく」と決意を新たにした。地域とのつながりを大事にしながら、全社員一丸となって取り組んでいく。

採用情報
募集職種／営業職
応募資格／大学院卒、大卒、高専卒
採用実績／2023年度3人
採用予定／若干名
勤務地／北九州本社、東京本社、東京樹脂オフィス、大阪オフィス
年間休日／123日
問合せ先／03-5297-7871
担当／管理部人事グループ

（ふくおか経済EX2024年）