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(株)全教研
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「将来につながる学び」を新たな教育サービスの軸に
(写真)サーキュラーエコノミーを学ぶ場として2022年春から実施している農業体験「遊園」。
1月には収穫した野菜の販売会も実施した(後方中央は視察に訪れた堀口宏吉社長)
社会の変化がめまぐるしい中、「自ら学ぶ力」と「学びたい気持ち」を育むことで、子どもたちの自己実現や将来の可能性を広げる教育に重点を置く。昨年創業60周年を迎えた県内屈指の老舗学習塾は、これまでのノウハウを生かし、一人ひとりに寄り添う指導で未来の教育サービスの確立を目指す。
「自分を知り、生かし方を知る」ということ
社会情勢の変化に伴い、教育への価値観が大きく変わってきている今、塾が担う役割りも変化が生じてきた。レベルの高い志望校に合格し、優良企業に合格するといった目先の目標をクリアすることではなく、変化の激しい世の中でいかに子どもたちの「生き抜く力を身につけさせるか」が、これからの教育で重要になってきているためだ。
「今は昔と違い『良い学校を卒業すれば安心できる』という社会ではなくなった。大事なのは詰め込み教育で一時的に成績を上げることより、変化に対応できる自分づくりをどうしていくか。まずは『自分を知り、自分の生かし方を知る』ことから」と堀口社長。そのために全教研が大切にしていることは「学ぶ機会」の提供であり、予測不可能な時代への適応力、そして子どもたちの将来の可能性を広げる教育を目指すことで、学習塾としての価値の最大化を図っている。
気付き生む「遊園」や「大人との対話」が好評
具体的な取り組みとしてまず挙げられるのが、農業体験の「遊園」だ。これは農業を通して「サーキュラーエコノミー」(循環型経済)を学ぶ2022年から始まった親子参加型体験プログラム。子どもたちが耕作、種蒔き、収穫、販売までの過程をすべて体験することで、その過程や結果ごとに生まれる「気付き」に対してどう行動していくかを身につけさせるもので、農業という非日常的体験の中で生まれる「継続的な好奇心」から、食材の見え方や考え方、自然や経済の循環について学んでもらおうと企画したものである。
また著名人や有名企業の社員と少人数の子どもたちで対話させる「大人との対話」も重要な学びの場の一つ。第一線で活躍している「一流」に触れることで、今の小中学生が大人になった時に何を学び、そして何に悩むのか、どういう未来が待っているのかを考えさせる。同時に「何を達成したいのか」、「どのような人間になりたいのか」という目的を明確にさせ、定めた目標に対しどんなアプローチをしてきたかを直接聞く絶好の機会ともなっている。
そのほかにも身の回りにある課題を見つけてチームで解決のアイデアを考えるアウトプット型学習「デザインシンキング」など、実に様々な独自講座を展開している全教研。これらの教育プログラムに共通して言えることは「答え=正解」がないということ。何に関心・興味を持つかは人それぞれ。重要なのは、自分の考えの表現方法やそれぞれが持つ興味や気付きを掛け合わせながら、自分なりの答えを探しにいくことであり、全教研はそのきっかけの選択肢を与えることで将来につながる学びに繋げている。
(写真)社会の第一線で活躍する人と対話する「大人との対話」。現場のリアルな話を聞くことで、子どもたちの興味や関心を広げる機会となっている |
60年の歴史で培ったノウハウを未来の教育に
「考え方が変われば感情が変わる。感情が変われば行動が変わる。だからこそ生徒一人ひとりに向き合うことを大切にした学習塾でありたい」と語る堀口社長。これからは「受験のための学び」と「自分を知るための学び」の両輪の充実が不可欠だ。創業以来「自ら学ぶ力」を養い続けて60年。全教研はこれまで積み重ねてきた教育ノウハウを生かした未来の教育サービスの確立で、これからも真の学力を育む教育プランナーとして走り続けていく。
(写真)答えのない問いに対し、デザイナー的アプローチで解決策を見出すアウトプット型学習の「デザインシンキング」 |
【DATA】
所在地/〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-15-9
TEL/092-718-0080
FAX/092-718-1555
創業/1962年7月
設立/1977年3月
資本金/1億円
事業内容/学習塾の経営
年商/37億6,600万円(2022年9月期)
従業員/240人
拠 点/(学習塾)福岡、佐賀、長崎、大分、山口で71教室
関連会社/㈱インフィニットマインド
URL/https://welcome.zenkyoken.com
採用情報
募集職種/集団指導講師 国・数・社・英・理(小・中・高)、個別指導、教室マネージャー候補
応募資格/2024年大学・大学院卒業見込みの方
担 当/管理本部 大曲(おおまがり)
(ふくおか経済EX2023年)